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若者だからこそ正論が解らない ~昔の自分になんてアドバイスすればいいのだろう~

●落ち零れだからこそ自己啓発書が大事

 「落ち零れは落ち零れで有り続ける」。

 これは人生の中で非常に重要なことなので絶対に覚えていて欲しい。学校の勉強ができなくて落ち零れた場合、社会に出ても落ち零れてしまう可能性は非常に高いのだ。学校というのは教育的に最善の機関ではない。学校自体、大量の問題を抱えている。それでも学校でいい成績を取れない人というのは、社会に出てもいい成績を収めてこないのである。

  なぜ学校で落ち零れてしまった人が社会に出ても落ち零れてしまうのかというと、「ルール」という物を全く尊重しないからだ。社会にはルールがあるのであって、そのルールに従って生きていれば成功できるが、ルールに背けば絶対に成功などしない。

 落ち零れに限って、「俺ってバカだからさ~」ということを口癖にするのだが、ルールを理解するにバカも悧巧もない。ルールは誰であっても理解することができる。しかし学校で勉強できなかったために、頭の良し悪しでしか物事を見ることができないという、非常に間違った考え方を持ってしまっているのである。

 今回紹介するのはこの本!

 松浦弥太郎著『もし僕がいま25歳なら、こんな50のやりたいことがある。』(講談社)

  もし僕がいま25歳なら、こんな50のやりたいことがある。[松浦弥太郎]

 題名からしてバカそうな題名なのだが、松浦弥太郎は高校を中退して、英語もできないままアメリカ合衆国に渡り、現地で低給のアルバイトをこなしながら生活し、そんな中、現地で価値のある古雑誌を買い集め、それを日本に持っていって売るということビジネスを遣り始め、これが成功した人物である。これが「カウブックスス」で、その後、作家業をもこなし、現在では『暮らしの手帖』の編集長である。

 俺は松浦弥太郎を彼が作家業を遣り始めた時から知っていたのだが、「これぞ!}という本がなかった。全部が全部、イマイチなのである。その理由は解っている。彼が高校中退で、大学を卒業していないからだ。学校で落ち零れてしまったのを長々と引き摺っているために、真実に達するような書物を書けないのである。

 この本は実に奇妙な本で、49歳の自分が25歳の自分に向けた書いた本である。普通、この手の本は若者たちに向けて若者たちのために書くのだが、彼はそういうことをしないのである。だから俺はこの本を彼の「自省の書」として読んだ。

●世の中の仕組みはこんな物

 まず松浦弥太郎は若者たちがよく言う「自分は所詮〈社会の歯車〉だ」という考えを否定する。社会に出るということは社会の歯車になることなのであって、それを拒絶している限り社会に於いて何かすることができない。とにかく最初は小さな歯車になり、その後、最高の歯車になっていけと教える。

 世の中というものは3つの原理原則から成り立っている。

①「世の中の多くの人たちは、いつも誰かを探しています」

 どんな職業でも人材不足なのである。優秀な人材がいたら、何がなんでも引っこ抜きたい。雇用は何も入社試験を受けて正規のルートで入るということだけではない。スカウトの方が中心なのである。だから至る所にチャンスは転がっているのであって、そのチャンスを掴めば人生に成功することが可能になってくるのである。

②「人はいつも自分を助けてくれる物を探しています」

 人は何にお金や時間を使うかというと、自分を助けてくれる物を探して、それにお金や時間を使う。このことを知っていると、なぜあの商品は売れ、なぜあの商品は売れないかがはっきりと解って来る。商品価値を決めるのは飽くまでもお客様であって、その商品を作った自分ではないのだ。

③「収入とは人に与えた感動の質量に比例するものです」

 若い時は収入が少ないものである。いずれは収入を多くして行きたい筈。ではどうやれば収入を多くすることができるのかといえば、それは自分の商品やサービスを通じて、人に与えた感動の質量によって決まることになる。だから漠然と労働していてはダメなのである。どんなに重労働しても、お客様に感動を与えることができなければ、薄給になるのは当然のことなのである。

 この本の不思議な所は、この大事なことが「前書き」に書かれていることなのであって、もうこれで充分と言えるくらいで、前書きの後に書かれている50のことはどれも正論であり、3つの原理原則が解りさえすれば、簡単に理解できるものである。

●25歳の松浦弥太郎は実に嫌な奴

  松浦弥太郎が述べている50のことはどれも正しい。言われてみれば当たり前のことである。しかしその50のことから見える25歳の松浦弥太郎は実に嫌な奴なのである。もしもこういう男性がいたら、俺は必ず殴りまくって凹凹にしている。なぜだか「男気」という物をまるで感じないのだ。

 例えば「賭博から学ぶ」という話が実に気に食わない。

 松浦弥太郎は博打をやらないし、推奨もしない。しかし若い時に賭博師と仲良くなり、「1137のセオリー」という物を教えて貰い、それに感心したという。「1137のセオリー」とは、最初に千円賭けて負けたら次にもう千円賭け、それでも負けたら今度は千円ではなく、3千円賭けるというもの。こうすれば勝ちさえすれば千円の儲けとなる。3回目の賭けに千円賭けて勝ったとしても、マイナス千円なので、これではトータルで勝ちにならないのだ。

 もしも3千円を賭けた時に負けたのなら、次はどうすべきかというと、4回目には7千円を賭けるというのである。これで勝ちさえすれば2千円の儲けとなる。負け続けても4回目に7千円を賭けることができるかが、プロと素人の分かれ目なのである。

 なんで俺がこの話を聞いて気に食わないのかといえば、このセオリーを頭で解ったとしても、松浦弥太郎は実際にはこのセロリ―を使って賭博をやったことがないからだ。自分が実際にやって確かめてもいないのに、賭博師からそう言われたから鵜呑みにしてしまう。その甘さが許せないのである。

 そのくせ商売をやっているので、「利益5%の法則」を知っている。「利益5%の法則」とは商売をするなら利益5%を目標にすれば確実にお金が増えて行くというものである。例えば10万円を元手に商売を始めた場合、5千円の利益を出すことを目標にする。こういうことをしないで行き成り10万円や20万円を稼ごうとするから大失敗してしまうのである。

 この「利益5%の法則」を解っているのなら、賭博師の理論など否定しなければならない。賭博師の理論は飽くまでも理論であって、法則ではないのだ。利益5%の法則は法則だからこそ、この法則を使用すれば誰でも成功できるのであって、賭博師の小賢しい理屈など吹き飛ばして行くものなのである。

●松浦弥太郎の人生の分岐点

 松浦弥太郎は核心を突いた意見を述べていない。彼が挙げた50のことはどれも素晴らしいことである。しかしなんでこんなことになってしまったのかといえば、彼が「或る秘密」を隠しているからだ。それは恐らく25歳の時に起こったであろう出来事だから、25歳の自分に贈る本を書いたのである。

 それはアメリカ合衆国滞在中に自分の嘘が発覚してしまったことだ。当時、彼はアメリカ合衆国で日本人たち同士で住んでいたのだが、その時、松浦弥太郎は散々嘘を言いまくったらしい。例えば「自分は金持ちの息子だ」とか言ったりして、自分をいいようにいいように見せようとしていたのである。

 しかし松浦弥太郎自身、嘘をつき続けていく内に自分の嘘に耐えられなくなり、それである時、「自分は嘘をついていた」とみんなに告白したのである。ところがみんなは怒るどころか、思わぬことを言い出したのである。

「みんな知っていたよ」

 この一言はズキンと来たに違いない。嘘を言って自分を誤魔化していたのに、周りの人たちはみんなその嘘を知っていたのである。

 この日以降、松浦弥太郎は変わったのである。

 変わったからこそ、今の松浦弥太郎がいる。

 だからこの本には最も大事なことが述べられていない。松浦弥太郎が25歳の自分に最も言わねばならないことは、

「嘘をつくな。嘘をついてもその場を誤魔化すことができるが、いずれはその嘘はバレるよ」

ということであろう。

 松浦弥太郎は、昔は嘘をついて誤魔化し、今は綺麗事を言って誤魔化している。

 松浦弥太郎の本が全部イマイチなのも、全てこれに起因するのかもしれない。「俺は落ち零れでさ~」という人に限って、凄まじい学歴コンプレックスがあるので、どうしても何かを誤魔化そうとする。そういうことは、学歴のある人が見れば確実に見破って来るので、俺みたいのが出てくれば秒殺されてしまうのである。

●もしも俺が25歳の若者にアドバイスするなら

 確かに男性にとって25歳というのは人生が大きく変わる時だ。俺も25歳の時に人生が大きく変わった。だからといってあの時の自分に何かアドバイスすることはない。25歳の時に確実に成功できることを知っていたのなら、俺は大きく変われなかったからだ。

 だから俺は25歳の自分になんかアドバイスはしない。しかし今の10代や20代の若者にならアドバイスをしてもいい。老婆心を働かせて50個言っても若者たちは聞きはしないので、俺は3つに絞る。どんなバカでも3つの事ぐらいは聞けるだろう。

①とにかく色んなことに悩め

②悩んでばかりいないで行動しろ

③目標を設定して成功するまで失敗し続けろ

 この3つである。若い時は悩むものなのであって、若い時は色んなことを悩んでおいた方がいい。若い時に悩んでおかないと思考力など絶対に身に付かないのだ。矛盾するようだけど、悩んでなかりいないで行動することも大切である。行動してしまえば解決できる問題だって多々あるものなんどえある。

 それと若い時には失敗をしまくっておいた方がいい。若い時に失敗して「失敗の免疫」をつけておかないと、年を取ってから失敗すると、もう二度と立ち直れなくなるからだ。若い時の失敗は謝罪さえすれば許して貰えるし、そのくせ失敗するとその分だけ成功に近づき、失敗した人ほど成功者になるものなのである。

 松浦弥太郎が言っていることはどれも正論である。しかし若者だからこそ正論が解らないのだ。例えば最初の「社会の歯車」の話も、確かにその通りなのだが、じゃあ若者たちが素直に社会の歯車になってしまったら、社会にはなんの変化も起こらなくなってしまうのである。

 若者なら10代や20代の時はヤンチャをしていい。特に男性なら積極的にそれをすべきである。男性は30歳になってやっと自立するのであって、10代や20代の時に素直に社会の歯車になってしまったのなら、その後の人生は大体予想がついてしまい、生きる気力なんて起こる訳がないのだ。

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コメント

タマティ様 はじめてコメントします。このブログに出会ってから、学ぶことがとても多くて、本当に感謝です。人生の分岐点、、私の場合も20代にありました。そのときにがんばったおかげで、今があるのかなとも思いますが、子どもを産んで、今は自分が仕事を続けていけるのか、悩みのループにはまってしまっています。 タマティ様の運命鑑定をどうかお願いしたいのですが、、、どうぞよろしくお願いします。

投稿: ちょこ | 2014年8月23日 (土) 22時52分

ちょこさん、タマティーは只今「夏バテ中」です。

元気になるために歌でも聞きたいですが、「Let It Go」でも歌って頂けませんか?
あの歌で93点以上出したのなら、運命鑑定に応じましょう。

投稿: タマティー | 2014年8月24日 (日) 06時12分

タマティ様 夏バテは大丈夫ですか?
 「ありのままに」93点は難しくて,,83点でした(ー_ー)!!
10点も足りない~!!
10点分課題を出していただけないでしょうか。
よろしくおねがいします。

投稿: ちょこ | 2014年8月26日 (火) 00時34分

ちょこさん、残念でした~。

あの曲は結構難しいですからね。
天童よしみがあの曲を歌っていたんですけど、『デブと雪の女王』になっていました。
歌詞を良く理解した上で歌わないと、どうも巧く聞こえないですね。

それでは再試練です。
自分の得意料理を作り、旦那さんの口から「これ、美味しい!」と言わせることができたのなら、10点加算しましょう。
しかし自ら「美味しい?」って訊くのはなし。
飽くまでも自発的に言って貰わねばなりません。

投稿: タマティー | 2014年8月26日 (火) 07時07分

タマティー様
ありがとうございます。
10点加算のために,ラザニアを久しぶりにがんばって作りました~。
洋食好きな主人ですので,大満足だったようです。
無事「おいしい」をいただきました!

投稿: ちょこ | 2014年8月26日 (火) 21時34分

ちょこ さん、合格です!

それでは家族全員の名前と生年月日、結婚した年月日、それと占って欲しいことを書いて送って下さい。

投稿: タマティー | 2014年8月27日 (水) 06時48分

ちょこさん、それでは運命鑑定行きますね!

ちょこさんの夫婦は滅茶苦茶凄い運勢ですよ。
相性もいいし、結婚した時期もいい。
何があっても絶対に離婚しないようにしましょう。

多分、ちょこさんの両親はかなり功徳を積んだと思います。
その功徳がこういういい結果になって出たんだと判断します。

引越しの件ですが、結論から言いますと、
「引っ越した方がいい」。
というのは、夫婦共々、故郷を出て行く運命にあるので、旦那さんが引越ししたいのなら、まずは受け入れよう。

しかし引越しは今じゃないってことも確かなこと。

まずはちょこさんの勤務先の待遇がいいために、職場復帰せずに辞めてしまうというのは勿体ないってことです。
それと旦那さんは引越したいといっているけど、計画性がまるでなしで、もう少し時間をかけて引っ越さないと、後で後悔する羽目になります。

現在、「死の結界」の中にいるので、まずやるべきことは「夫婦関係を構築していく」ことです。
ちょこさんは「姉さん女房」です。
しかも「かなりの出しゃばり」です。
こうなるとちょこさんの方がえばってしまうのですが、結婚している以上、やはり夫を立てた方がいい。
ただ単に立てるのではなく、しっかりと権力を握った上で立てることです。

夫婦の愛の絆がしっかりと結ばれますと、もう1人、赤ちゃんが生まれます。
夫婦共々子沢山の運命なので、子供はできる限り多く産んだ方がいいです。

家族の変化は職場復帰してから起こるだろうから、今の内から勉強して、主婦ボケにならんようにしておくことです。


もしも新居を購入した場合、その名義はちょこさんにしておいた方がいい。
旦那さん名義にしてしまうと新居を買っても、それを維持し続けることができません。

投稿: タマティー | 2014年8月28日 (木) 06時25分

タマティーさま

運命鑑定していただきありがとうございました。
こんなに早くいただけるなんて,本当に感激です。
何回も読み返してしまいました。文章の端々からタマティーさまの温かい人柄が伝わってきました。
功徳を積んだのはきっと祖父母だと思います。
父方も母方も,会社を創業した祖父で,父は父方の会社を継いでいます。母方の祖父の会社は母の弟が継いでいますが,子がいません。母方の方は,孫の代は全て女の子しか生まれず,絶家に向かう運命なのでしょうかね。。。
父方の方も,長男である父には女の子しか生まれず,こちらも絶家に向かう流れなのでしょうか。。会社もまだ父が社長でいますが,どう整理するのかあまりいいませんし。
私の母は,教育熱心な祖母の子とは思えない人物で,高度経済期を贅沢に生きてきたというような人で,娘3人を気ままに育てたというような感じです。親に励ましてもらった記憶がありません。私だけが勉強を努力する環境にいたので,国立大学にいき,資格をとって教育職に就きました。私の姉はあまり勉強もせず,家庭をもっても困ったことがあれば母に頼り,助けてもらっているのを見ていると,正直言ってずるいな~と思ってしまう自分がいます。なんか長々と書いてしまいすみません。
赤ちゃん,もう一人欲しいところですが,自分の年齢を考えてしまいますね。。夫が計画性がないというところも,大あたりです!自分の実家近くに帰りたいだけで,資金のことや今後のことはどんぶり勘定なんですよね。。今年になって,夫は転職活動をしていて,でも,いいところまでいっても最終面接で落ちてしまったりで,なかなか決まらない状況です。引っ越しは,後で後悔しないように,しっかり夫婦で話し合いたいと思います。
夫をたてるように,これを肝に銘じて,あまりえらそうにせずに生きていきたいと思います。
タマティ様,本当にありがとうございました。

投稿: ちょこ | 2014年8月28日 (木) 21時26分

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