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たかみんさんのお勧めに従って「 BUMP OF CHICKEN」を聞いてみました。

●サマフェスの魅力

 俺は暑い夏が大嫌いで、夏の間はとにかく汗を流すことに心掛け、できる限り何か特別なことをしたくない。「サマフェス」なんて物は今までの人生の中で一度も行ったことがなかった。しかし今年、サマフェスには行かなくても、サマフェスを収録した映像を見る機会があり、それでサマフェスの面白さを知ることになった。

 サマフェスははっきりと言ってしまえば、非常にお得である。なんせ様々なアーティストが勢揃いするので、自分の好きなアーティストの演奏を見られるだけでなく、他のアーティストの演奏をも見られることができるだからだ。俺は「Super Fly」が好きなので注目したが、あの女は相変わらずあの化粧の乗らない顔で歌っていた。

 サマフェスでは自分にとって嫌いなアーティストも出て来る。今回のサマフェスでは、或る眼鏡をかけたデブの男性が俺の最も嫌うアーティストだった。そのアーティストはまず見た目がダサい。歌もそれほど巧くない。ただキーボードの演奏だけは手慣れていた。

 奴が歌っていた歌の内容が特に気に食わなかった。曲自体はまあ許せる範囲内なのだが、歌詞の内容は「街には流行りの歌が流れているけど、自分のヘッドフォンの中には昔の歌が流れている」という物で、どうでもいい内容だった。「そんな歌、歌うな!」と思ってしまったのだが、

「♪僕のヘッドフォンには~」

というサビの部分に惹かれてしまい、本当にダサい男性なんだけど、なぜだかその歌に聞き入ってしまった。

 音楽は自分の好き嫌いで決めていいのであって、当たり前のことだが自分の好きな曲だけ聞いていればいいのである。しかしそうやって自分の好きな曲ばかり追い求めて行くと、非常に狭い世界を作り上げてしまい、窒息死してしまうものなのである。

●勝手にベストスリー

 この夏にこんなことがあったために、たかみんさんから「BUMP OF CHICKEN」を勧められた時、取り敢えず聞いてみようかなと思った。以前の俺なら聞かなかったのだけれども、「BUMP OF CHICKEN」は名前しか知らなかったので、この際、歌を聞いてみて、それでこのバンドに対して評価を下してみようとしたのである。

 そこで俺はたかみんさんに

「BUMP OF CHICKENでお勧めの曲は何かある?」

と訊いたのだが、たかみんさんは即答せず、後日、遅ればせながら回答してきやがった。「好きなのにそういうことするか~」と思ったのだが、「BUMP OF CHICKEN」の曲は本当は「これぞ!」という曲がないのだ。だから「BUMP OF CHICKEN」のファンでもお勧め曲には迷ってしまうのである。

 そこで俺が「BUMP OF CHICKEN」の曲を聞いて、勝手にベストスリーという物を作った。

  ユグドラシル

第一位 『ギルド』

 先入観とは恐ろしい物で、最初、この曲を聞いた時、ワーキングプアのことでも歌っているのではないかと思ってしまった。しかし再度聞いてみると人生について歌った曲なので、これで俺の「BUMP OF CHICKEN」への評価は決定的になった。これが本当に一番良い曲である。

 第二位 『天体観測』

 「BUMP OF CHICKEN」の曲の中で、こういう曲ならヒットするという曲での代表例。「BUMP OF CHICKEN」の曲はサビがサビになっていない曲が多いので、なかなかヒット曲を産み出せない。因みにこの曲のサビは「GOING UNDER GROUND」の『トワイアル』に似ているような気がする。

 第三位 『グロリアスレボリューション』

 この曲は楽曲も歌詞も良いのだが、サビがサビになっていないために、大損をこきまくっている。例えばサビの部分をもっと高いキーにし、

「♪涙で濡れたグロリアスレボリューション」

なんて変えて歌うとヒット曲間違いのない曲になったと思う。

「BUMP OF CHICKEN」を勝手に運命鑑定しちゃいました

 「BUMP OF CHICKEN」を運命鑑定してみると、実に面白いことが判明した。

BUMP OF CHICKEN 29画

 29画なので、クールで知謀に優れ、若者たちの支持を受け易い。「BUMP OF CHICKEN」の曲で情熱的な曲がないのはこのためなのであって、そのクールさこそが最大の売りなのである。29画である以上、もっと売れてもいい筈なのだが、それにはそれなりの理由がある。

 「BUMP OF CHICKEN」は4人編成のバンドなので、「死の結界」が張られて、エネルギーは内側に向かうことになる。こういう場合、リーダーが強力なリーダーシップを発揮すれば、「死の結界」が張られていても前進していくことができる。

 しかし「BUMP OF CHICKEN」は平等を建前としており、リーダーを立てないということにしている。これでは「死の結界」が本当に強力に作動してしまうので、作詞作曲で昇華していかないと、人気を獲得していくことができなくなってしまう。

 とはいっても、事実上のリーダーは「藤原基央」である。この人物の地格は15画なので、生まれ故郷から離れる運命にある。事実、秋田県で産まれ、すぐに千葉県に引っ越してきた。もしもこの人物がリーダーになってしまうと、バンドとの相性の関係で、バンドのエネルギーを吸い取ってしまうということになってしまう。それでリーダー不在ということにして、自分がバンドのエネルギーを奪い取らないようにしているのである。

 「BUMP OF CHICKEN」の曲はサビがサビになっていないだが、これはリーダー不在のために、バンドのメンバー同士で巧く化学反応が起こらないからといっていい。メンバーが平等なら、プロデューサーをリーダーにでもしてしまえばいいのだが、そういうことをしないとなかなかヒット曲を作り出すことができない。

●根暗男の魅力

 俺が「BUMP OF CHICKEN」の曲を聞いてつくづく思ったのは、「藤原基央は根暗な男性なんだろうな~」ということである。 根暗だからこそ、物事を奥深く考えているのであって、そういうことをやっているからこそ、普通のアーティストにはできない曲を作って来るのである。

 現在、日本ではお笑い芸人がテレビに出まくりで、笑いを取ればいいだろうと多くの人たちが思っている。しかし笑いというのは人間が持つ物のほんの一部分なのであって、それを殊更に強調していけば、文化が薄っぺらい物になっていくのは当然のことなのである。

 「最近のテレビは詰まらない」

と多くの人たちが言うのだが、それはテレビ番組でお笑い芸人ばかり出しているからなのである。お笑い芸人を抜いて、笑い抜きで面白い番組を作って視聴率を取りにいけばいいものを、流行に騙されてそういうことをしないからこそ、どの局も似たような番組を作り、それで視聴率の低迷に悩んでいるのである。

 こういう時にこそ、根暗な男性が作った曲というのは、実に魅力的な歌に映るようになる。みんなが低俗なことで笑っている時に、真剣に考えた曲を出されれば、みんなは沈黙することになる。なぜなら自分の愚劣さ、軽薄さ、無一物の様を、たった1つの曲で暴露されてしまったからだ。

 大体、この世に於いて男として魅力のある男性は全て性格的に暗い男である。物事を深く考えれば、そうならざるを得ないのであって、そういう男性の魅力を理解しないのであるなら、それは男性のなんたるかを知らないといっていいのである。

●千葉県は実は豊かな地域

「人間とはなんぞや?」

ということを考えるのは、豊かで文化レベルの高い地域に生まれ育った人だからこそできることなのであって、藤原基央が秋田県で産まれ、千葉県で育ったというのは決して偶然な事ではない。この特殊な生い立ちが彼を彼たらしめたのである。

 秋田県は東北地方で最も文化レベルが高い県と言っていい。しかも古代日本の関東では千葉県が最も豊かなのであって、千葉県というのは今でも豊かであり、しかも文化レベルも高いのである。千葉県は東京都の隣接しているために、それらのことを余り理解されないのだが、藤原基央みたいな人物は余所の所からは出て来ていないことを知るべきなのである。

 人間はこの世で生きて行くために、飯を食わなければならないし、その生活の糧を得るために労働しなければならない。生きていれば恋愛をし、結婚をし、子供を産み、育てて行く。しかし人間はそれだけではない。それ以上のことをすることができるからこそ人間たりえるのである。

 歌はラブソングが多いのだが、そういう歌ばかり歌っているのなら、その人物はその程度の人なのである。テレビ番組ではグルメを紹介する物が多いのだが、そういう物ばかり見ているのなら、その人はその程度の人なのである。学術用語で言うと、「形而下学」の範囲にいるということであり、「形而上学」の所まで上昇してきていないのである。

 日本のロックシーンに「BUMP OF CHICKEN」みたいなバンドがあるということは、日本がまだまだ豊かで、日本人の民度が高いという証拠だといっていい。尤もGDPでは既に日本は中国に追い抜かれているので、根源を考えるようなバンドが出て来なくなれば、日本は相当にヤバイということになってしまうのである。

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コメント

タマティーさん!!こんばんは。
タイトルからドキッとさせられ、読み進めるうちも胸のドキドキが止まりませんでしたっ!!!
なぜなら、BUMPが好きすぎて、タマティーさんにどんな辛口を書かれるだろうか、と少し不安もありましたもので。
でも、タマティーさんにもお褒めの言葉を頂き、非常に胸を撫で下ろす思いでいます。

そしてベスト1がギルドとは。私と同じです。巷にはラブソングが溢れる中、人生や人間とは、ということに執着して真っ直ぐに向き合い続けるアーティストはなかなかいません。
藤原基央という人間はきっと根暗です。でもだからこそ魅力的なんです。
私の思いをタマティーさんが代弁してくれているかのようでした。
とにかく、タマティーさんが記事にして下さったのがとても嬉しかったです。

グロリアスレボリューションも非常にレベルの高い曲です。シングルカットされていないので、隠れた名曲ですが、とても元気が出て明るく前向きに、自分次第で未来をパッと開かせることができる気にさせてくれる曲です。

少しだけ補足しますと、彼らはTVに出ていないだけで、アルバムを発売すると必ずオリコン1位で、ライブチケットは秒殺の大人気のアーティストです。

「K」などストーリー性のある歌詞も秀逸です。

藤原基央さんの声もたまらなく素敵でかっこいいです。

藤原さんは宇宙好きで、普遍性とか生命の根源に通ずるような歌詞にその辺りが反映されているのかな、と思います。

このたびは、小説執筆でお忙しい中、記事にしていただき本当にありがとうございました。

投稿: たかみん | 2014年11月 7日 (金) 23時09分

タマティーさま

お返事が遅れてすみませんでした。
風邪で寝込んでいました。

タマティーさまも、バンプ好きなんですね。
私もです。

スノースマイルの芸術性の高さ
「K」や「ラフメーカー」のストーリー性
Kは猫がでてくるので、好きなんですよ。

ところで、お勧めの本ですが、
これがそう言われてみるとなかなかないことが
分かりました。

あえて言えば、
オグマンディーノのすいすい読めて
感動的な文体がお勧めですかね?
今の文章って、ライトな感じなものがおおいじゃないですか?岩波新書とか字が大きくなっているし(昔より人間がばかになったのかな?)

あと、子供の発達障害なんですけど、
虐待とかって、役所がいきなりやってきて、
うちの子供を役所の心理士がみて、
1時間くらいで「発達障害かも?」と言われて
夫がそれを真に受けて医者に連れて行きました。
医者でも発達障害ということで、
わたしがいくら、
「息子大丈夫だから、信じてやろう!」
と夫に言っても、きいてくれません。
薬を飲ませるといっても、麻薬成分なので、
そのようになったら、息子を連れて
逃げようと思っています。
役所ってひどいと思いませんか?

投稿: ゆきねこ | 2014年11月 8日 (土) 08時44分

ゆきねこさん、あのな~、猫が出て来るからってな~。
それならタマティーの作詞作曲の歌『ありのままの猫ちゃん』を聞いてみます?

♪ありのままの~、猫ちゃんでいいのよ~。


質問を変えましょう。
「ゆきねこさんが高校生の頃の愛読書は?」
ってことにします。


ゆきねこさんは現在、家族構成が4人なので、「死の結界」が張られているから、様々な問題が出てきますよ。
出来ることなら、もう1人赤ちゃんを産んでしまった方がいいんですけどね。

それと旦那さんには、
内海聡著『児童相談所の怖い話』(三五館)
って本を読ませてやって下さい。
児童相談所は警察も手出しできない、非常に危険な機関なんです。これは絶対に廃止しなければならないものなんですが、厚生労働省が場当たり的に作ってしまったので、堂々と存在しているって訳です。

投稿: タマティー | 2014年11月 9日 (日) 06時02分

タマティーさま

お返事、ありがとうございます。
夫が子供に薬を飲ませるというので、
夫とは別居して、子供を守っています。

でも、週末は夫のところに子ども達は行っています。
夫にメールしても、返事くれないんですよ。

内海先生の本、読んでみます。
ありがとうございます。

ゆきねこが高校生の時はニュートンという科学雑誌をいつも読んでいました。
あんまり小説読んでいなかったんです。

印象に残っているのは、井上靖の「蒼き狼」とか、太宰、三浦綾子「氷点」くらいでしょうか?
三浦綾子は旭川の記念館まで行ってしまいました。
太宰は女性徒など、今読んでみると、おさない話に感じます。(太宰を超えたか???)

中学生の時は、シェイクスピアにハマっていました。

大学の時は、自分のせいで実験に失敗した時に、天気が悪かったので、「自分の心も泣きだしそうだ」とつぶやいたら、実験のパートナーに、「ふざけんな!」と首を絞められました。

タマティーさまの小説は純文学系それともエンターティメント系なのでしょうか?
私はエンタメ系です。

執筆中は、3時間くらいで、場所を変えると長時間書ける感じがします。
図書館⇒モスバーガー⇒家⇒違う図書館⇒マクド
お金があるときはスタバ

という感じで、場所を変えながら書いています。

タマティー先生の小説、ブレイクするの、楽しみです。

投稿: ゆきねこ | 2014年11月 9日 (日) 08時16分

ゆきねこさん、理研に就職しなくて良かったですね。
実験なんて物は失敗の連続なんであって、成功は「僥倖」といってもいいくらいに確率の低い物なんですよ。
「失敗は失敗として認める」という態度がないと、科学的発見なんてできませんよ。


タマティーも高校生の時、『ニュートン』を定期購読していました。
文系に行ったしまったので、自然科学の勉強をしたかったんですよ。
ただ、創刊者であり編集長の竹内均が長期政権を築いてしまい、雑誌の質は高いんだけど、変化がなかったので、それで途中で嫌になって定期購読はやめてしまいました。
雑誌の編集長の任期は最大で10年ですよ。それ以上、やってはダメです。

タマティーはエンタメ系小説です。
純文学には1度チャレンジしましたが大失敗してしまいました。
新人賞だけでなく芥川賞をも取れると思ったんですけど、完全敗北でした。
性格的にはエンタメ系小説なんだろうけど、小説を書くなら芥川賞が欲しいですな。

ゆきねこさんもやっと太宰治を超えましたな。
小説を読む時、自殺した作家が書いた小説には注意が必要です。
「自殺因子」
と言っていい物が含まれているからです。
太宰治の場合、『人間失格』を読めば解るけど、男として女を守ろうって気概がまるでないから、これではいずれ自滅してしまいますよ。
三島由紀夫はもっと凄く、『英霊』って小説を書いた時に、226事件の首謀者の「磯部浅一」の悪霊に祟られ、それで自殺に追いやられてしまったみたいです。
日本は高齢化社会になっているから、何をするにしても長生きしないと、自分より年を取った人からみれば「幼稚」って思われてしまいますよ。

投稿: タマティー | 2014年11月10日 (月) 06時02分

こんにちは。
私は28歳ですが、バンプオブチキンは中学生の時に大ヒットして沢山聞いていました。学校でもファンの男の子が歌詞カードを配布したりしていました。
バンプとは出身が同じです。
千葉県はつまらないと思っていたので、豊かと聞いてびっくりしました。
いつも面白いブログをありがとうございます。

投稿: なおこ | 2014年11月25日 (火) 16時47分

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