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女社長の憂鬱

●「うちの子たちの家の中は滅茶苦茶」

 うちの母親の同級生が会社を3つほど所有して経営しているのだが、母親はその女社長に呼ばれて遊びに行った。大いに歓待されて、非常に満足して帰ってきたのだが、その際、ケーキをお土産として貰ってきた。そのケーキが今まで食べたことがないほどに美味しいケーキで、値段のこと云々よりも、そのセンスの素晴らしさに感動してしまった。

 その女社長は美容院の会社を経営しているので、やはりそういう事業で成功を収めた人は食べる物にも拘り、実に美味しい物を食べているというのが良く解った。そのケーキは甘さもほどほどで、見た目も良いので、普通のケーキとはまるで違うのである。

 会社を3つ経営しているといっても、独身を貫いて仕事をしたのではなく、ちゃんと結婚し、子供も3人産み育てながら仕事をしたのであって、仕事も家庭も大成功を収めた女性なのである。尤も子供たちは3人いるのだが、全部女性であり、誰も跡を継ごうとしないために、自分の代で終わらすとのことであった。

 その会社には独身寮があり、独身の美容師たちを住まわしているだが、

「うちの子たちの家の中は滅茶苦茶」

と愚痴を零すほどに汚いらしく、そういうことをやっているから美容師としてもなかなか一人前になれないというのであった。俺はこの話を聞いて、

「仕事で忙しいなら仕方ないよ~。男性は結婚しないと家の中を綺麗にすることはしないもんだよ」

と答えた、しかしどうも俺はこの話を男性の美容師のことか勘違いしていたみたいで、家の中を汚くしているのは、なんと女性の美容師であったことが後に判明した。

 俺の誤解が解けると、なんで女社長の娘たちが誰も跡を継ごうとしないのか、なんとなく解ったような気がする。その女社長にしてみれば、仕事をきちんと行い、家の中も綺麗にするのは当然なのであろうが、それを教えるのが下手糞なのであって、女性の従業員たちは仕事に関してなら女社長の言う通りにしているのだが、生活では全然なっていない。多分、女社長の娘たちも表面的には良い人たちなのだろうが、裏ではだらしない部分があるのであろう。

●仕事の仕方と生活の仕方

 仕事の仕方と生活の仕方は全く関係のないように見えて、実は深い繋がりを持っている。仕事ができる人は生活に於いても整理整頓が行き届き、すぐに必要な物を取り出せるようになっている。しかし仕事ができない人は生活に於いてもゴチャゴチャで、必要な物が一体どこにあるのか解らないのだ。

 だから会社が独身寮を持ち、独身寮に住まわせながら仕事をさせるのなら、まずは独身寮での生活をきちんとさせた上で仕事をさせなければならない。そうやって育てると、仕事ができるようになり、高い成果を産み出して来るようになるのである。

 しかしこれには例外がある。アイデアを必要とする仕事では、家の中、特に書斎の中がゴチャゴチャしていた方がいいアイデアを産み出し易い人たちがいるということだ。「混沌からの創造」ということを書斎の中でやっているので、下手に整理整頓を押し付けるのは危険なのである。

 美容師となると実に微妙である。アイデアを必要とする部分もあるからだ。美容師のコンテストに出場するなら、とにかくアイデアを捻り出さなければならず、そうなれば家の中は滅茶苦茶ということになっても別におかしくはない。家の中を整理整頓してアイデアが出る人なら別に問題はないのだが、そういう人たちだけではないというのもまた事実であろう。

 となれば、女社長としては、この問題は実に深刻な問題だということになる。というのは、家の中を整理整頓できない人は、創造力を必要としない通常の仕事を、きちんとできていない可能性があるからだ。だから独身寮に住み続け、婚期が遅れているということになっているのである。

●女性を雇ったのならいずれは結婚させるのは雇用主の義務

 封建時代では女性を雇ったのなら、その女性を働かせつつ、いずれは結婚相手を手配するというのは雇用主の当然の義務であった、しかし近代的な雇用形態は賃金さえ支払えばいいのであって、女性労働者たちに結婚のことまで面倒をみなくて良くなった。

 しかしこういう物は大企業とかなら良くても、中小企業とかでそれをやってしまうのは実に拙いことになる。女性たちが結婚しなければ労働の質が上がらなくなってしまうからだ。あの女社長の憂鬱はまさにそれなのであって、結婚できない女性たちというのは、どんなに仕事をさせても、やはり一流になることができないのである。

 この問題はその会社の事業に関して問題なだけでなく、女社長の娘たちが後継者になりたがらないということでも問題を発生させている。娘たちはなんで後継者にならないのか、直接に会ったことがないのでその理由は良く解らないが、しかし母親のやっている仕事を見て、母親の会社には病的な要素があると見抜いているからなのであろう。

 女性社員を結婚させてしまった場合、その結婚によって退社する者と、結婚しても仕事を継続する者とに分かれる。結婚によって女性社員数は減少するのであって、それで女性社員たちの質が上がることになるのである。だから女性社員たちが結婚しないということは、この現象が起きないのだから、女性社員たちの質が上がる訳がないのだ。

 結婚退職は女性差別だとフェミニストたちから指摘されるのだが、男性社員たちの方はもっと残酷なのである。出世競争で負けた者たちを退職処分にすることで、男性社員数を減らして行くことになる。20代や30代で転職ならまだ就職先はあるが、40歳を過ぎればまともな就職先は全くないといっても過言ではないのだ。

●後継者を育てない経営は非常に危険である

 美容師の給料がどのような金額か正確な所は解らないのだが、女性が結婚しなくても生活していけるだけの金額を貰っているのだろう。となればその女性社員たちを放置しておけば、本当に結婚しなくなり、会社は行かず後家だらけに新陳代謝が進まないということになってしまう。

 女社長自身は自分の代1代で会社を終えようとしているのだが、会社組織が存在する以上、それでは困るのである。会社の売却先を用意しているならいいが、そういうことは全くしていない。それでは自分の死後、社員たちを路頭に迷わすのかということになってしまう。

 女社長が自分の娘たちを後継者にしないだけでなく、社員たちの中から優秀な者を抜擢して自分の後継者にしようともしない。このため俺はその女社長の事を知れば知るほど、

「無責任な女性だな~」

と思うようになってしまった。男性の社長たちでこういう無責任な人をまず見たことがないからだ。

 恐らく、その女社長は、「自分は仕事を頑張って来たし、妻としても母親としても充分なことをやった」という自負があるのであろう。それを基準に他の若い女性たちを比べてしまえば、どの女性たちも劣って見えてしまうのは当然のことだ。だからといって、その女性たちがダメなのではなく、ダメであるというのなら育てればいいだけのことなのである。

 自分に娘が3人もいるなら、自分の会社で優秀な男性の美容師を引っ張って来て政略結婚させるという手もあった筈だ。自分が男の子を産めなかった以上、そういうことをすべきなのだが、それすらしない。勿論、それは娘たちの自主性を考えてのことなだが、それが会社にとって良いことだとは限らない。

 会社を経営している者なら、後々のことまで考えるのは絶対に必要なことなのである。

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コメント

タマティー様

今回の検診で逆子が治っていました‼︎
張り止め薬の処方箋をまた出され心が折れそうです。
助産院にすれば良かったですね( TДT)
そしてどうやら三人目も女の子の様です…三人の女の子には家事を教え込んで早く嫁に出したいと思います(*゚v゚*)

投稿: りな | 2014年12月 1日 (月) 15時19分

りなさん、良かったですね~。
この時期、体が少しでも冷えてしまうと、胎児はクルッと逆子になってしまうので、体を動かして体を温めておくことですよ。

女の子3人なら賑やかでいいですよ。
なぜだか上に女の子が2人続くと、その次も女の子になる確率が高いですよ。
なんでだろ~。

投稿: タマティー | 2014年12月 2日 (火) 07時09分

まぁこさん、どうもセンスがいいと思ったら、美容師さんだってんですね。

女性の場合、どんな仕事をするにせよ、結婚のことを考えないと、どうも巧く行かないですよ。

義姉との相性はどうにもこうにも悪いですね。
義姉は自分のことを棚に挙げて、まぁこさんに手厳しいことを言ってきます。
しかしまぁこさんは根が優しいゆえに、相手のことを思って発言してしまうのですが、相手は聞く耳を持たずという状態です。
この相性なら、とにかく離れて、自分は自分、相手は相手、としないと、不要なトラブルを発生させてしまいます。

投稿: タマティー | 2014年12月 2日 (火) 07時17分

タマティー様

ありがとうございます∩(´∀`)∩
主治医に張りがあるのであまり車に乗るな、動くなと言われましたが無視して体を動かします(笑)
しかも、この間の薬どのくらい残ってる⁇と聞かれあたふたしましたが( ̄∀ ̄;)
三姉妹、今の時点で毎日うるさ〜いって叫んでいますが今しかないこの時を楽しんで将来は相談相手になってもらおうと思います(≧ω≦。)

投稿: りな | 2014年12月 2日 (火) 08時39分

タマティー様

何度もすみませんm(__)m
性別ですが、赤ちゃんのパパの母側の兄弟の出方で精子のX、Yが決まるというのをどこかで読みました‼︎
確かに旦那の母は4姉妹です( ̄∀ ̄;)
もしこれが本当なら子孫を遡っていくと面白そうですね(*^^*)

投稿: りな | 2014年12月 2日 (火) 08時48分

まぁこさん、そうやって執着してしまうと、余計に執着してしまいます。

まず考え方としては、
「この世で生きている以上、自分の考えを100%通してしまうようなことをしてはならない」
ってことです。

「80対20の法則」ってのがあって、自分の考えは最大50%通ればいいのであって、それ以上、通ってしまうと、逆に効果は0%になってしまうんです。

旦那さんは運命星上、母親や兄弟姉妹の関係を重視してきます。
だから旦那さんは義姉に問題があると解っていても、仲良くしようとする訳です。
そういう事情があるから、普段は義姉と接触しなくても、旦那さんが求めている時は接触した方がいい。

但しその際、絶対に相手の悪口を言わない事!
義姉でも何かしらいい所がある筈だから、それを褒める。
そうすると、義姉との接触でそんなに損害を受けないものです。

投稿: タマティー | 2014年12月 3日 (水) 06時44分

タマティーさんこんにちは!

80対20の法則、金銭に関わる場面ではすっかりお馴染みの法則になりましたが、人間関係でも通用するんですね!


今まで金銭に関わるときには当たり前に意識していたのに、改めて指摘されて『は!』っとしました。ありがとうございます。


そういえば美容学校に通っていた時、気持ちの波が激しい私に先生が『いつでも8割の力や作品を出せるように』という言葉をかけてくれたのを思い出しました。様々なことにこの法則は通用するんですね!


何事も煮詰まりすぎず、この法則で乗り越えます♪

また一つ、勉強になりました(*^▽^*)
アイラブユー★

投稿: まぁこ | 2014年12月 3日 (水) 13時53分

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