ウーマノミクス
●不況だからウーマノミクス?
現在、安倍晋三首相はアベノミクスを展開中なのだが、多少経済が上向く程度であって、大した効果はないであろう。日本は長期デフレに突入しており、如何なる首相がなったとしても、この長期デフレを打開することはないのである。
長期デフレのためになかなか好景気にならないのだが、そこで政府は女性たちをもっと働かせかればなんとかなると、女性たちの社会進出を推進することに躍起になっている。これは非常に危険な政策なのであって、女性たちが働きに出てしまうと、今度は出生率が低下し、少子化に益々拍車がかかるということになってしまうのだ。
如何なる社会を築き上げようとしても、専業主婦というのは必ず存在する。専業主婦は家事や育児に特化できるので、それで生活のレベルの一気に高めてしまうことになる。結婚しても働き続けるというのは、収入が増える分、家事や育児に充分な時間を割けないので、それで生活のレベルを上げるというのが難しくなってくるのである。
今回紹介する本はこの本。
クレア・シップマン/キャティー・ケイ著『ウーマノミクス』(アルファポリス)
林久実訳
この本はフェミニストの2人が書いた本なのだが、今までのようなフェミニストたちのようイデオロギッシュな本ではなく、かなり現実的な内容の本になっている。作者の2人も自分たちが往年のフェミニストたちと違っていることを充分に認識した上でこの本を書いている。
彼女たちがこの本で言いたい事は、
「働く女性たちが欲しいのは出世ではなく、家庭と仕事の両立である」
ということである。当たり前といえば当たり前なのだが、今までのフェミニストたちは結婚を否定し、仕事だけに生きることを求めてきたのであって、彼女たちの主張はフェミニストたちの内部からの反乱だと言っていい。
●タマティーの解決策
既婚女性が仕事をする場合、独身女性の考えのままでは、まともに仕事をすることができない。既婚女性だからこそ考えを変えなければならないのであって、既婚女性に合った考えだからこそ、結婚維持しながら働くことができるのである。
①結婚したら減速しろ
俺に言わせてみれば、「結婚したら減速しろ」ということなのであり、結婚したのに減速しないからこそ、様々な問題が発生してしまうことになる。確かに減速すればスピードが落ちる。しかし減速するからレベルアップを図ることができるのであって、これによって労働の質が劇的に向上するのである。
男性の場合、この手の変化は結婚によっては生じない。40代前半での厄年か、大病をしたことによってでしか、変化を起こすはできない。女性は結婚すればこの手の変化が必ず起こる以上、結婚したら減速ということをしなければならないのである。
②1日6時間労働で充分
1日8時間労働というのがそもそも間違っている。既婚女性が1日8時間労働をしてしまえば、家事や育児に充分な時間を投入することができなくなる。しかし1日6時間労働であるなら、家事や育児をしながら仕事も出来てしまうということになる。
1日8時間労働はキリスト教から産み出されてきたものなのであって、こうやって毎日無理をして働けば、休日には安息日を取って労働を休まなければならなくなる。逆に言えば安息日のために1日8時間労働をしているようなものなのであって、キリスト教を廃棄してしまえば、1日6時間労働という物がしっかりと見えて来るのである。
但し、1日6時間労働は結婚してからなのであって、20代では1日12時間労働をしなければならない。若い時は体力が充分にあるので、その時は仕事をしまくることによって、自分の能力を思いっきり伸ばして言った方がいい。1日6時間労働を全ての年代に当て嵌めるようなことをしてはならない。
③キャリアアップ
結婚したのなら、「キャリアップ」を図るようにしなければならない。現在の経済はどの職業でも修士号以上の学歴を要求しているのであって、高卒とか大卒とかではキャリア的に不利な状態で居続けてしまうことになる。だから家事や育児のために自宅にいなければならないことを利用して、通信制の大学院とかで修士号や博士号を取るようにした方がいいのである。
「女性だからダメなのではなく、高卒や大卒だからダメなんだ」ということを理解しなければならない。フェミニズムに洗脳されてしまうと、女性たちが社会進出していけば、社会は必ず変わると思ってしまうのだが、しかし現実はそうではなく、問題とされているのは「低学歴」なのであって、社会は高学歴を要求するようになってしまったのである。
●会社の改革案
会社の経営陣はどうしても既婚女性たちの事情が良く解らない。そのため旧態然としてシステムのままで既婚女性たちを雇用しようとすることになるのだが、それをやられてしまうと既婚女性たちは非常に働きづらく、そのために退職したり、離婚してしまったり、離婚しなくても家庭が様々な問題を発生させてしまうということになってしまう。
そこで会社が既婚女性を雇うのなら、まずは既婚女性を取締役に加えてしまうようにすればいい。その既婚女性は自分が結婚しているので、既婚女性たちの事情に良く通じており、それで既婚女性たちが働き易い労働条件や労働環境を整備していくことになる。
経営改革で最大の問題になるのは、恐らく既婚女性たちには1日6時間労働を認めるということであろう。他の社員たちは1日8時間労働をしているというのに、既婚女性たちにだけそういう例外を認めていいのか? 給料は一体どうするのか? 取締役会で話し合わなければならないことは沢山存在することになる。
取締役会には特別な理由がない限り、独身女性を入れてはならない。ベンチャー企業なら独身女性が取締役になっても構わないが、他の会社では許されてはならない。独身女性には既婚女性たちの事情がまるで解っていないので、独身女性だからこそ既婚女性たちに不利なことを要求してくるのである。
如何なる会社でも3割程度は既婚女性を取締役にすることができるので、能力のある既婚女性たちをどんどん抜擢して行った方がいい。男性たちだけで経営を決めてしまうよりも、男女混合で経営を決めた方が、より正しい決定をすることができるようになる。経済犯罪の殆どは男性たちが引き起こしている以上、男性たちだけで物事を決めるという習慣を改めないと、経済犯罪を根絶することはできないのである。
●フェミニズムを捨てろ!
俺がこの本を読んでつくづく思ったのは、
「フェミニズムを捨てろ!」
ということである。クレアもキャティーも最早フェミニストだと看做すことはできない。自分たちがフェミニストであるからこそ、自分は変わらずに、社会に変わって欲しいと無理な注文をしてくるのである。
「男女は平等。しかし女性たちの方が優れている」
と、散々フェミニストたちから訊かされた「倒錯話法」をこの本でも述べられている。女性たちがそんなに優れているのなら、科学的発見を女性たちがバンバンやっていいものだが、実際に科学的発見をしているのは男性たちであって、女性たちではないのだ。
男女平等を幾ら唱えた所で、男女の心身は不平等に作られている。我々にできることは、その不平等を踏まえて、男女を公平に扱うことなのであって、それしかできない、それなのに強権を発動して男女平等を実現していこうと思えば、それは神の聖慮に反することだから、想像を絶する悲劇が続出してしまうことになる。
俺は白人女性たちがなんでフェミニズムというバカげたイデオロギーに洗脳されてしまうのか、この本を読んでなんとなく解ったような気がする。それは、
「白人女性たちの心の奥底には≪キリスト教的罪悪感≫があって、そこから抜け出すためにフェミニストをやっているのではないだろうか?」
ということであった。
日本だと解りにくいが、アメリカ合衆国で育てば子供の頃から聖書を読まされ、その際、アダムとイブの話を読むことになる。イブのために神の言いつけを守らなかったのであり、「罪を負うべきは女性だ」という思考回路が出来上がることになる。キリスト教では労働は懲罰になるので、それでフェミニズムに洗脳されることで、結婚しても労働をし続けるということをやるのではないかと、俺は思ってしまった。
●不気味な箇所
この本はフェミニストの2人が書いた物なので、不気味な箇所は多々ある。これほど不気味な本を読んだのは久しぶりである。
①生年が不詳
まず、2人の作者も翻訳者も生年が不詳であるということである。生年は作者の情報に関して非常に重要な物なのであって、これが書かれていないということは、この本は信用できないということになる。しかもこの本では生年が物凄く重要な意味を持つので、これを意図的に載せないというのは、作者と翻訳者の悪意を感じてしまう。
②献辞でイニシャル?
この本では献辞でキャシーがイニシャルを使っているのだが、これもまら不気味である。恐らく自分の子供たちのことを指しているのだろうが、献辞である以上、やはりきちんと名前をしっかりと書いた方がいいであろう。子供たちは自分の名前が出ていれば、それこそ母親の大きな愛を感じたことであろう。
③謝辞で仮名?
謝辞では仮名が使用されているのだが、仮名である以上、本人には自分が作者たちから感謝を受けていることが解らない筈である。謝辞で仮名を使った物など見たことがないので、なんでこういうことをするのか、俺にはその理由がさっぱりと解らなかった。
④なんで母親? なんで姉?
謝辞の異常さはまだまだ続き、キャリーは謝辞で自分の母親に対して最大級の感謝を贈り、クレアは自分の姉に対して最大級の感謝を贈っている。こういうような謝辞を書かれると、「この2人は自立していないんだな」と思ってしまうのだが、なんで自分が母親になっているというのに、未だに自分の母親や自分の姉を引き摺るのか、その理由が全く解らない。
⑤翻訳者の後書きがない
不気味さのトドメが、この本には翻訳者の後書きがないということである。翻訳者はただ単に翻訳すればいいのではなく、後書きにその本の要点や自分の感想を述べたりすべきなのである。自分の意見を何も言わない所を見ると、この翻訳者もまた自立していないのであろう。
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