虫歯にならないための歯磨き

●出張で口がムズムズ

　先日、出張で横浜に行くことになった。距離的には日帰りできるのだが、仕事の都合上、日帰りすることができず、宿泊しなければならない。普段は自宅でしか食事を取らないので、外食をするというのは余り嬉しくない。理由は白砂糖を使った料理が出て来るからである。

　玄米を食べるようになってから体に悪い物を食べてしまうと、すぐに反応するようになってしまった。黒砂糖は大丈夫なのだが、白砂糖はダメである。口の中がムズムズしてしまい、一応、歯磨きをしてから眠ったのだが、そのムズムズさは全く取れなかった。

　しかも追い打ちをかけたのが、暖房の音である。我が家では暖房を使用していない。氷点下を切らないと暖房を使用しないように決めているので、もう春だというのに暖房を使われると、なんか体が熱いし、暖房の音が気になるし、それで眠れなくなってしまった。

　そのため睡眠時間はなんと３時間！　１日７時間半の睡眠時間を確保したい俺にとっては、これは大打撃であって、翌日は頭が全然動かず、その翌日も低機能で我慢する羽目になった。頭脳労働をしている以上、睡眠はしっかりと取るべきであり、そうしないと仕事の生産性がガタ落ちになってしまうのである。

　睡眠時間が不足してしまったせいが、口のムズムズが後を引いてしまった。普段ならどんなに不調でも一晩寝れば治るのだが、睡眠部族のために体の修復ができなかった。しかしこの問題のために思わぬことを発見してしまった。

●一回10分を３回？

　俺は「歯のことに関しては老人たちに訊け」と思っている。歯のことでどんなに良いことを言っていても、それが本当に正しいのかは自分の歯で証明しなければならない。老齢になっても歯があるということは、その人は正しいことをやったということであり、その人かた教えを乞うた方がいいということになる。

　母親の知り合いに、元東京都職員の７０代の男性がいて、この人は歯が１本も抜けていないことを自慢していた。どうやって歯の健康を維持したのかと訊いてみると、毎日、１回１０分の歯磨きを３回しているとのことであった。そこで早速、その遣り方を真似てみた。

　ところが１回に付き１０分もの歯磨きなんて、疲労しまくりでできなかった。腕は痛いし、首も痛いし、口は水を保つのに大変である。それにそれを１日に３回もやるというのはちょっと無理であり、そんなに歯磨きに対して時間をかけることはできないのだ。

　しかし歯磨きの時間を長くすれば、確かに歯磨きの効果はあるという手応えはあった。今までの歯磨きの仕方では時間が短すぎたのであり、それで口の中を清潔に保つことができず、異物が少しでも入って来ると、口がムズムズしてしまったのである。

　計算してみると、俺の歯磨きは大体１分以内であり、長くやろうとしても３分が限界であった。他にやるべきことは沢山あるのであって、幾らは歯磨きが大事だからといって、そんなに多くの時間を割く訳にはいかないのだ。そこで登場してきたのだが、毎度お馴染「８０対２０の法則」である。

●２度磨き

　俺は解決策として、

「２度磨きをやればいい」

ということを思いついた。１回目の歯磨きではどんなにやってもその効果は８０％にしかならないのであって、だったら歯磨きを２回やれば、その効果は１９０％になり、長時間歯磨きしなくても効果を得られるのである。

　口の中が最も汚れている時間帯はなんといっても起床直後であり、起床したのならすぐさま歯磨きをする。その際、２度磨きをすると、口の中は物凄く綺麗になる。これなら長くても５分程度で終わるので、やろうとすれば確実にできることになる。

　就寝前の歯磨きも２度磨きすると、翌朝には本来なら口が最も汚い筈なのに、そんなに汚れていないということになり、それで歯になんらかの問題が発生することがなくなる。就寝前の歯磨きも５分程度で終わるので、これならやれないことはない。

　歯磨きは１日に２度磨きを２回やれば充分なのだが、朝食後や昼食後にも歯磨きをしたいという人たちのために一言注意をしておく。それは、

「食後すぐの歯磨きは絶対にダメ」

ということである。食事によって歯が摩耗し、それを食後、唾液で補修するのだが、その時に歯磨きをしてしまうと、歯の補修ができなくなり、それで虫歯になってしまうのである。

　俺が高校生の時、国語の教師が虫歯で悩んでいたのだが、彼は食事の度に歯磨きをしていたので、それで歯医者に行かなければならないほどの虫歯になってしまった。歯磨きの仕方を知らないために、歯磨きが逆に虫歯を作っていたのである。

●歯ブラシは定期的に買い替える

　歯ブラシは定期的に買い替えた方がいい。ヨレヨレになった歯ブラシを使って歯磨きをしても、そんなに効果はない。それどころか歯磨きが不充分になってしまい、それで虫歯を発生させてしまうことになる。歯ブラシは毎日使う以上、傷むのは当然であって、だったら買い替えた方がいい。

　歯ブラシの硬さには好みがあるので、自分に合った硬さにすることだ。柔らかい物が好きなのに硬い物を使っていれば嫌になるのは当然だし、硬い物が好きなのに柔らかい物を使っていれば物足りなくなるのは当たり前である。こういうのは自分で調整するしかないのであって、こういうことはきちんとやっておくことだ。

　歯ブラシを使っていれば、歯ブラシの間にゴミが溜まったりしてしまうことがある。そういう場合、歯ブラシ自体を洗うべきであって、ゴミが付いたまま使うようなことをしてはならない。自分の歯ブラシである以上、きちんと自分で管理すべきなのである。

　男性の場合、出張とかがあるとどうしても歯磨きが乱れがちになる。そうなるといずれは虫歯になってしまい、虫歯の治療のために無駄な時間を食うことになってしまう。歯が健康であれば、そういう無駄な時間を取られることがないので、それで仕事の生産性が上がって行くのである。

　女性の場合、妊娠出産育児のために、どうしても歯が痛むことになる。まずはカルシウムを摂取すべきであり、甘い物はできるだけ控えた方がいい。その上で歯磨きということになるのだが、女性だから歯磨きをしないという人はいないと思うが、その遣り方を間違えているがために、虫歯を予防できないということになってしまう。

　くれぐれも虫歯には用心することだ。

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