『悦ちゃん』、実に面白いです。
●ユースケの当たり役
最近、NHKの大河ドラマの質が低下しているので、特に「脚本」に於いてその劣化は激しい。『直虎』でもそうなのだが、幾ら柴咲コウを始めとして、役者たちが巧い演技をやっても、脚本が詰まらなければどうにもならないのである。脚本家の実力が低下している以上、もう1人で作らせず、チームで作った方がいいかもしれない。
ところが、土曜日の夕方にやっている『悦ちゃん』は実に面白い。原作は獅子文六の『悦ちゃん』なので、この小説自体、現在読んでも面白いから、これを現代にドラマ化しても面白いのは当然だろう。しかも主役のユースケ・サンタマリアはまさに当たり役で、主人公の碌太郎を巧くこなしている。
ただ気に成るのは、制作陣は『悦ちゃん』を「昭和駄目パパ物語」として解釈している事である。これは原作とはかなり違う。主人公の柳碌太郎は性格がだらしくなく、問題を起しはするが、駄目パパではない。事実、娘の悦ちゃんは常にパパを支持しているのであって、駄目パパならそんな事しないであろう。
●大正10年がターニングポイント
まず、「東京の水道水は汚かった」という事実を理解して欲しい。水道水が汚いからこそ、乳幼児の死亡率が異様に高かった。後藤新平が東京府知事になると、水道水の塩素消毒を開始した。これが大正10年であり、これ以降、乳幼児の死亡率が一気に低下していく。まさにこの年こそが日本のターニングポイントとなる。
乳幼児が死ななくなると、一体どうなるのかといえば、養育費に関してロスが少なく成る。親たちは乳幼児の死亡率が高いからこそ、子供にはそんなにお金をかけなかった。ところが乳幼児が死ななくなれば、養育費にもっとお金をかけようという事になり、それで日本の民度が急速に上がっていったのである。
江戸時代に日本を訪れた外国人たちは、
「日本では子供たちが大事に育てられている」
と書き残している。それは事実である。しかしそうだからといって、親たちが養育費にお金をかけた訳じゃないのだ。この点を勘違いしてはならない。
●未亡人と男ヤモメ
乳幼児は死ななくなったのだが、親たちは汚い水道水で育ってきたので、それでよく死んだ。戦前は「肺結核」が死の病であり、この肺結核は、要は水道水が汚いからこそ、国民全体に蔓延してしまったのである。悦ちゃんも母親が先に死んでしまっている。子供たちにしてみれば、問題はそこから始まる。
夫婦ではどちらが先に死んだかで、その後の命運が分かれる。まず、
「未亡人なら再婚先はある」
という事だ。未亡人は子供が居るとは雖も、家事や育児が出来るので、再婚にはなんの支障もない。
ところが、
「男ヤモメだと再婚が厳しくなる」
という事なのである。男性には収入はあっても、後妻で嫁いできた女性は、常に前妻の子に対して遠慮しなければならない。その苦労は前妻の子たちが結婚して家を出て行くまで続くので、実に大変なのである。尤も大概の後妻たちは、前妻の子たちを虐待して、家から追い出すか、殺したりする。
悦ちゃんが母親の死から3年しか経っていないのに、新しい母親、しかも自分を大切にしてくれるであろう女性を必死に求めているのは、そういう背景があればこそなのだ。また父親の碌太郎が嫁探しに悪戦苦闘するのも、女性は後妻で入れば大変だからこそ、再婚がなかなか巧く行かないのである。
決して「駄目パパ」じゃないのだ。男ヤモメだからこそ苦労しまくり、娘の悦ちゃんを幸せに育ててあげようと必死になっているのである。
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コメント
タマティー様、こんにちは。
お子さんのいる歌舞伎役者の再婚も難しいと思われますか?
日々のニュースを見ていますが、再婚するにせよしないにせよ、お子さんの気持ちを考えると胸が痛くなります。
投稿: ミソノ | 2017年7月27日 (木) 11時35分
ミソノさん、再婚せざるを得ないでしょうね。
歌舞伎役者は奥さんが居ないと、人気を維持できないですからね。
前妻があれだけ国民から同情を買って死んだ以上、後妻になる人は超大変ですよ。
息子さんがいつも寂しそうな顔をしているのが気になります。
投稿: タマティー | 2017年7月28日 (金) 06時02分